会社の商号調査

このブログを始めてから約一ヶ月が過ぎました。

どれぐらいの方に読んで頂いてるのか全く分からないので「カウンター」を設置してみました。

自分以外の方にも見て頂いているようなので、なんとか頑張って更新していきたいと思います。

 

今日はあいにく雨でしたが、朝からトマトちゃん(愛車)で大阪法務局の本局に行ってきました。

株式会社の商号変更の登記の依頼を受け、商号調査のため登記情報サービスで調べたところ、相当な数の同商号が判明。

ご依頼者の会社も目的の範囲が広いので、同一目的はあるのは確実とは知りながら、ご依頼者のご要望で法務局に調査に行った次第です。

 

会社法施行前は、類似商号は登記できませんでしたが、現在では、

商業登記法第27条

(同一の所在場所における同一の商号の登記の禁止)

 

第二十七条  商号の登記は、その商号が他人の既に登記した商号と同一であり、かつ、その営業所(会社にあつては、本店。以下この条において同じ。)の所在場所が当該他人の商号の登記に係る営業所の所在場所と同一であるときは、することができない。

 

 

と定められており、「同一の所在場所=本店」で「同一の商号」の場合のみ登記できないので、通常法務局で調べなくてもほぼ問題なく登記できます。(全く同一でなければ登記できるというわけではありませんが・・・・・)

 

ただし、これはあくまでも「登記できるかできないか」だけの問題であって、どんな商号でも登記して問題ないわけではありません。

 

会社法第8条

 

第八条  何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。

 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある会社は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。

 

不正競争防止法第3条 第4条

 

(差止請求権)

 

第三条  不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。

 不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物(侵害の行為により生じた物を含む。第五条第一項において同じ。)の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の停止又は予防に必要な行為を請求することができる。

(損害賠償)

 

第四条  故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、第十五条の規定により同条に規定する権利が消滅した後にその営業秘密を使用する行為によって生じた損害については、この限りでない。

 

よって、類似商号の調査をしておかないと、侵害行為の差し止め請求や、商号の抹消請求、損害賠償請求をされるといった問題が後に生じる可能性があります。

 

ただ、昔の商法第20条の範囲(同一市町村、同一商号、同一営業)だけで調査をすれば上記のような問題を回避できるか?と考えると疑問はあります。それを考え始めたらきりがないんでしょうが・・・

 

同一商号の会社も小規模な会社で周知性というところで、実際に問題が生じる可能性は極めて低いことだけは言えますが、法律家としてはあらゆる可能性も考えてご依頼者に伝えていく義務がありますので慎重にならざるを得ません。

 

 条文については法例データシステムより引用