司法書士事務所に就職し、司法書士業務(実務)を始めたころは、試験の勉強上では嫌というほど不動産登記や商業登記をやっていても実務面ではまったくのド素人でした。
まず、司法書士の実務をしていて疑問が出てきてもそれを解決するための情報を取得するのに果てしない時間と労力が費やされます。
最初に入った司法書士事務所の先生は、本好きで人に聞くのをよしとはしないタイプの人だったので、簡単に法務局に電話したり人に聞いたりすることをしません。
その影響もあり、私も必要以上に慎重になり、聞けば簡単に分かることでも本を探して根拠を見つける方法で解決していきました。
それは、それでよかった。なぜならその司法書士事務所は暇だったから。
ところが、次に就職した司法書士事務所ではそうはいきません。
要領よく仕事をこなさないと仕事がどんどん溜まっていく。
ここでそれなりに鍛えられました。
経験を積んで行くと、法務局や他の人に聞いてよいレベルの質問とそうでない質問の区別ができるようになります。
司法書士であれば必ず知っていなければならない実務のレベルのことを法務局に聞くことは、司法書士としては恥ですので絶対にしたくありません。 これは大抵の司法書士は守っていると思います。
ただこのレベルにも個人差があるでしょうが・・・
ムチャクチャ仕事が立て込んでるのに、小さな一つの論点が解決できないために全く先にすすめない、あるいは致命傷になるのが司法書士の仕事。
司法書士受験生なら必ず知っている論点でも、何年も経験のある司法書士も忘れることもあります。
すぐに調べることができない、超忙しい、時間がない、泣きたくなるとき、大きな声で言えませんが私はします。
法務局に素人のフリをして電話すること。
(他の先生もしてる先生多いですよね。実は・・・)
でも、これは本当に困った時だけです。
ほとんどの場合は、司法書士と分かるように話を持っていきます。(←質問の仕方で司法書士であることは一目(聞?)瞭然)
というより、法務局に問い合わせるときは、ある程度根拠を提示し、これでいきますのでこれで通して下さい!というケースが多いので。
しかも、素人さんには親切だけどかなり適当な説明の法務局ですので、あまりきちんとした回答を期待できないこともあります。
法務局に電話するの大好きです。
迷惑かもしれないけど、先例が出ていない???な部分が不動産登記には多いので、その部分を色んな法務局の登記官の考え方を聞いて参考にさせてもらっています。
答えがひとつでない不動産登記の実務は奥が深くて面白い。
(なんだかかなり話が逸れた感)
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