「司法書士」「行政書士」
どちらも「書士」がつくので、一般の方にはその違いが分かりにくいかもしれません。
特に何かで業務を依頼することがないと、それぞれの資格者がどのような仕事をしているかを知るチャンスさえないです。
名前こそ似ていますが、この2つの資格はできる仕事の内容、試験の難易度、社会的信用度、存在する資格者の数、平均年収などにかなりの違いがあります。
今日は、そのうち試験の難易度について少し。
わたしは、法学部出身ではありませんので、司法書士の資格を取得するために初めて法律を勉強しました。
初学者が、司法書士試験を目指すのであれば、司法書士講座を受けられる専門校に通うか通信講座などを受講します。
一通りの科目を終了し、その内容を試験に太刀打ちぐらいに理解するには、初学者であれば少なくとも2~3年程度はかかります。
たまに1年程度の勉強で1回の受験で合格する人もいますが、本当に稀で、大抵2.3回以上の受験、長い受験生活の人は10年以上の人もいるぐらいですので、かなり難易度は高い方だと思います。
合格率は私のときは、2.8%程度。今は3%ぐらいに上がっているようですが、それでも合格率は毎年それほど変わりませんので狭き門と言えます。
わたしは、3年ほど司法書士試験の勉強をし、実質2回目の試験(講座修了前の記念受験を合わせると3回)で合格しました。
しかし、この3年間は無茶苦茶猛勉強です。寝ても覚めても勉強。
特に試験の3か月前ぐらいからは、一日13時間ぐらいを勉強時間に充てました。
今からあれぐらい勉強することは本当に想像もできないぐらいの頑張りです。
一方行政書士試験。
こちらは、合格率がその年によって違います。
合格率の高い年は15%ぐらい、私の合格した年は5%ぐらいという、受験する年によってものすごく不公平な試験と言えます。(未だに納得いきませんし、おかしいシステムです)
それゆえに、合格者のレベルの差がかなり有り得ます。
5%というと合格率が低いようにも思えますが、受けている人のレベルも本気度も司法書士試験とはかなり差があるので、合格率だけで比べることはできません。
両方の試験を経験した私としては、
司法書士試験の大変さは、行政書士試験の100倍以上。
(あくまで私の感覚ですので、ほどほどのご参考で・・・本当は1000倍1万倍、すなわち比べることができない=次元が違うと言いたい。)
司法書士試験合格後、ほとんど勉強せず約1年後に、行政書士試験を受験。
しかも勉強期間は、3週間。
試験結果もかなり上位にはいっているレベルの点数でした。
その上、試験の日は臨月で、翌日に子供を出産。
司法書士試験なら臨月での受験は100%無理だと思います。(私なら子どものことを考えまず挑戦しません)
あくまでも私の個人的感想ですので、ご参考にはならないかもしれませんが、そんな感じです。
大阪の悠里司法書士・行政書士事務所 所長 司法書士・行政書士 まえかわいくこ