司法書士の事業承継について (自分のことについても考える。)

昨日、司法書士試験の受験者が減っている件を記事にしました。

特に若い世代の受験者が減っている現状。

このご時世、司法書士に限らず、会社や法人経営をしている方、個人事業の方、その他経営に携わる方について、事業承継の難しさは大きな問題になっています。

一言で、「経営者」「会社の役員」「事業主」と言っても、本当に様々で、安定的な高額な収入を長い期間保持できる状況の人がどれだけいるか?

となると、ほとんどの経営者は、

「ノー!」

となるのです。

日常業務からその中身を知る立場である私から現実をお伝えすると、会社経営であっても、一部の大手企業を除いて、ほとんどの存在する会社は中小企業で、今はかなり高い利益が上がっていても、10年後、あるいは2.3年後はどうなっているかは分からない、という安定性という点では何とも言えない会社さんが大多数なのです。

安定性を求める若者世代の子たちから見れば、そのような不安定な事業を受け継ぐより、安定的な企業に就職したい、公務員になりたいという気持ちも分かります。

親の立場からの子への要望と、子の夢は重ならないことが多いのです。

ただし、一度は外の世界に出た子でも、長い間親の背中を見て育ってきているため、ある一定の年齢になったとき自分の人生を再度よく考えたタイミングで、事業を引き継ぐという話も多く耳に入ります。

そして、この話は決して他人事ではありません。

わたしも、まだ若いと言いたいところですが、人は40歳を超えると急死する確率も上がりますし、職業柄将来のことも早めにできることはしておきたいという気持ちが強い。

こどもが4人もいてても、なかなか司法書士・行政書士のしごとを引き継いでもらうということは厳しいと感じています。

こどもの中で、私がしている仕事に興味をもっている子もいるにはいますが、難関国家資格にチャレンジするという情熱までは今の段階ではなさそうです。

興味を持っているだけでもましかなと、少し待とう、温めておこうという気持ちはあります。

その一方、早く資格を取ってもらって、事務所を任せ、わたしはさらに安定的に司法書士の仕事やほかの分野でチャレンジしていきたい新しい仕事を増やすことや勉強に時間を使いたいという焦りもあり、すぐに資格の勉強しないの?と聞いてしまい逆効果になってしまっている。

自分のこどもであっても、別の人間。

私の情熱やハングリー精神を少しでも分けてあげられたらと思うけど。

親の思い通りにはならない。

迷いがあったり、怠惰になる時間も人生には存在するのでしょう。

この仕事ももちろん、絶対の安定性を保証できるものではない。

でも、家族を支えられるぐらいの収入は安定的に確保できる仕組みは作ってきたつもりです。

引き継がないともったいないという気はしますが、それはそれで仕方ないことですね。

自分の人生は自分で決めるしかないので。

いつか、子どもと一緒に仕事ができる日がきたら本当にいいなと思います。

悠里司法書士・行政書士事務所(大阪市福島区) 代表 司法書士・行政書士まえかいくこ