司法書士・行政書士の実務と試験のギャップ

最近ドライブが楽しくて仕方ありません。

独身のときは音楽ばかり聞いていたのに、結婚して子供が生まれてからはゆっくり音楽を聴く暇も余裕もなかったのですが、3ヶ月前に購入したトマトちゃん(中古の愛車です)は、ステレオシステムがよくてドライブしながらの音楽鑑賞が最高なのです。

子供を保育園のバスに乗せていたのですが、音楽を聞きたくてここんとこトマトちゃんで園まで連れてっていますo(〃^▽^〃)o

 

さて、私が司法書士試験を勉強し始めたときは司法書士の実務経験がなく法律を専門的に勉強したこともなく、まったく真っ白な状態からはじめました。

司法書士試験の中で、特に「不動産登記」と「商業登記」については、書式試験があり、実務についてもすぐに使えるようなレベルの高い問題が出ます。

この試験問題を解くにあたって考える順序としては、まず「事実関係がどうであるか?」そして「それによる結果を実現するための手続きや書式、添付書類は何か?」という流れです。

当たり前と言えば当たり前なのですが、これが実務となると必ずしもそうではないことがあります。

特に中小企業の商業登記に関しては、

先に、「結果をこうしたい」 そしてその次に「この結果を導きだすためには、どんな手続きと書類が必要か?」と言う風にどうしても、結果を実現するために最良の手続きを提案する必要が出てきます。

受験生のときには、会社は当然に株主総会や取締役会を開催し、きちんと議事録を作成しており、商業登記申請の際にはそれを預かり事実を登記するだけと考えていましたが、実際にはそれら議事録は司法書士が作成するのが実務だと事務所に勤めて初めて知りました。

普通の小規模な会社で株主が1人や身内の数人だけの場合株主総会を事実上開いていない会社がほとんどと言えます。

そのため、どうしても総会を開いた事実は後付けになってくる。司法書士としてはいつどのタイミングで総会を開くのが一番会社や依頼者にとってメリットがあるのかをアドバイスする必要があります。特に登記が遅れて過料(罰金のようなもの)が課される可能性がある場合は特に慎重に様々な可能性の情報を伝えるようにしなければいけません。

 

行政書士試験では、実務に直接関連した書式問題はありません。

はっきり言って、試験勉強で学んだことだけで実務をしようと思っても到底不可能な試験のレベルです。

ただ、行政書士の実務では、司法書士以上に「結果」を導き出すために神経を使わなければなりません。

特に建設業や宅建業など「許認可申請」に関しては、すべての行為がその結果(許可・免許等の取得)のために存在するわけで、その過程のひとつを誤るだけで最終的な目的を達せない可能性があります。これには本当に神経を使います。

許認可で大変なのは、事実証明部分です。 事実上要件を満たしていてもそれを公的書類や関係者の証明などで実際に書類として証明していけなければ事実は認められないのです。また、会社が許認可を取得する際には、的確な商業登記をしておかないと致命的な結果になることが多いのです。

登記と許認可は密接に関係しています。

司法書士=登記はできるけど許認可はできない

行政書士=許認可はできるけど登記はできない

となっていますので、依頼者が別々に依頼することにより思ってもいないトラブルや致命的な結果になることも考えられます。

許認可が関係する場合は、両方の資格者が同席できる事務所か、司法書士・行政書士兼業事務所に依頼されることをお勧め致します。