大阪市福島区にあります 悠里司法書士・行政書士事務所
代表の女性司法書士前川です。
不動産決済の際に、着金確認をすることがあります。
一番多いのは、売買の対象となる不動産に抵当権などの担保権が付いている場合に、抹消の金融機関(以下抹消銀行といいます)が、決済場所に来て、自分の銀行にきちんとお金が入ったことを確認してからしか、抹消に関する書類を渡してもらえないというケースです。
最近は、昔と違い、金額が大きいときや、任意売却など少し複雑なケースでない場合は、決済場所に抹消銀行が来ないことが多くなりましたが、今でも抹消銀行が立ち会う決済もあります。
以前であれば、金額が少なくても抹消銀行の人が決済場所に立ち会うのが慣習でした。
そんな時に、抹消銀行によって、着金確認をしたり振込の領収書のコピーをもらう(もちろん、口座番号や名義、金額などは確認しているはず(?))ことにより、着金確認をしない抹消銀行などいろいろでした。
着金確認を要する場合は、それが終わるまで基本的には、解散ができません。
買主も売主もそのた仲介業者も司法書士も、ただただ待つしかありません。
そんな状態が頻発していた当時、わたしが勤務司法書士であったところの副所長(実質の所長)は、
「あいつら(付き合いが長いのでこんな物言いもOKな関係なのか(?))が、自分の名前で振り込めば着金確認なんか必要ないやろ?」
と毎回のようにぼやいていたのをよく覚えています。
確かに、抹消銀行の人が自分で振り込めば、万が一入らなくて、戻ってきたとしても自分が再度手続きをすればよいだけです。
買主さんからや、売主さんから、振込の手続きをすると、万が一入らなかったときは手続きをした人の協力がないといけませんので、そのために着金確認をしてからしか解放してもらえないわけです。
でも、上記のように
「自分で振り込んだらええねん!」
っていうのは、あくまでも待たされていて、早く解散したい、司法書士側の言い分でしかない。
自分で振り込むって、銀行員が数千万円どこか別の口座に入れて持ち逃げするかもしれない。
そんな権限を与えることできますか? っていう考えもできると思います。
不動産の決済となると、数千万から数十億あるいはそれ以上ということもありえます。
このご時世誰が何を着服してもおかしくない。
というわけで、着金確認は時間がかかってもするべきと、私は思います。
買主さんや、買主さんに融資する金融機関にとっては、時間が多少かかっても着金確認は重要です。 特に抹消銀行あての入金はメチャ重要です。
ここについて、認識の甘い司法書士が多いという点はまた別の機会に。
(抹消銀行が立ち会わないケースでは、仲介業者を信用しすぎず、抹消銀行へ振込伝票を確認するなどは必須と考えます。特に自分が売り側の司法書士の場合は、非常に詳しく抹消関係の内容(登記書類だけではなく入金過程なども)を確認をします。)
悠里司法書士・行政書士事務所 代表 司法書士・行政書士まえかわいくこ