信用金庫、信用組合等が抵当権者(根抵当権者)であるときの抵当権設定の登記で取扱店の表示(〇〇支店、〇〇営業部などの登記)ができるようになった。

令和2年の登記研究4月号の質疑応答で、

信用金庫、信用組合、信用保証協会が(根)抵当権者であるときに、

登記記録に信用金庫等の取扱店の表示をして差し支えない

という掲載があったのち、実務的にも信用金庫等の取扱店の登記が可能となっています。

それまではどうだったかというと、管轄の登記所ごとに、信用金庫等でも取扱店(〇〇支店等)を登記できるところもあれば、銀行でないと登記できない登記所が混在していました。

長年そのような状況であったため、地域ごとに違うかもしれませんが、わたしが受ける案件では、信用金庫や信用組合の書類には、そもそも委任状等に「〇〇支店」という表記さえないところも多い。

ずっと取扱店の登記をしてこなかった、信用金庫や信用組合からしてみたら、司法書士ができるようになったことを伝えない限り、今まで通りされないのが普通となっていることが多い。

委任状等に「〇〇支店」という記載の欄がある信用金庫等に関しては、設定のときに担当者に、

「取扱店の登記はしておきますか?」

と確認してするようにしています。

先日、とある信用金庫の根抵当権設定のときに、担当者に上記の内容を伝えたところ、

「あ、それなら入れといてください」

ということだったので、申請書に記載して申請しました。

当日、希望を聞いてから埋めようと登記申請書には、取扱店の記載はせずに、申請前に手書きで埋めました。

そうしたら、完了謄本見たら、取扱店が登記されていない。

法務局に確認したところ、

「手書きで書いたら見落としても仕方ない。書く位置が少しずれてるから気づかない。」

ということを言われ、いったい何をおっしゃっているのだろう? 登記申請書に手書きで

「取扱店 〇〇支店」

と誰でも読める字で、信用金庫名の下あたり(確かに少し隙間が少なかったので、代表者の表示に近い場所に記載してましたが、普通に見落とすレベルではない)にきちんと記載していたのに、手書きだからどうこう、少し位置が下だからどうこう(少なくとも金融機関名付近には記載しているのに)と、自分らの落ち度ではない(←あきらかに見落としか、信用金庫だからスルーした以外のなにものでもないのですが)という説明から入って、

なんじゃこりゃ!?

と思いましたが、結局、職権更正可能ということで、上記のやり取り必要やったんか?無駄な時間・・・と思いつつも、追加設定があったため、信用金庫さんに確認したところ、

職権更正で時間がかかるなら、そのままでよいということで、結果そのままとなりました。

普通は必ず取扱店を登記する銀行と違って、今のところはそれほどこだわりのある信用金庫さん等は見当たりません。

ただし、これも今までずっと取扱店の登記をしていた法務局管轄付近の決済ですとまた違ってくるのかなとは思います。

また、これから何年か経ってくると、取扱店の登記をすることが普通となるのかもしれません。