在日韓国人の相続登記
不動産(土地・建物・マンションなど)を所有している在日韓国人に相続が発生した場合、どの国の法律に基づき考えていったらよいのか、いったい誰がどのような相続分で相続するのか、など様々な問題点があります。
根拠法は被相続人の本国法
韓国籍の方が亡くなった場合は、その方の本国法である韓国の民法により相続人や相続分が決まることになります。
ただし、遺言に適用される方式により明示的に、
①常居所がある国の法(死亡時までその常居所を維持した場合に限る)
あるいは、
②不動産に関する相続に対しては、その不動産の所在地法を指定したときは、その法律に従います。
すなわち、在日韓国人の方が適法な遺言により①あるいは②を指定したときには、日本の民法を適用することも可能ということです。
具体的な相続分の例
被相続人Aが死亡し、配偶者B、長男C、長女Dがいる場合で3500万円の遺産があるとき
韓国民法によると
配偶者 1500万円 7分の3
長男C 1000万円 7分の2
長女D 1000万円 7分の2
(配偶者は直系卑属の5割加算)
となります。
これが日本の法律によると
配偶者 1750万円 4分の2
長男C 875万円 4分の1
長女D 875万円 4分の1
となり、かなりの違いがあります。
配偶者がいれば兄弟姉妹にはいかない?
日本の民法では、配偶者がいても直系卑属(子供や孫など)、直系尊属(親や祖父母)がいなければ、配偶者と被相続人の兄弟姉妹の方が共同相続人となります。
韓国民法では、このようなケースでは兄弟姉妹は相続人とはならず、配偶者が単独相続します。
以上のように、相続分や相続人に該当するかどうかの判断についても、韓国民法と日本民法では異なる部分が多く、韓国民法も何度か改正されているため相続開始時期によっては上記の相続分とも違うケースもあり、かなり専門的な法律知識が必要とされます。
韓国人の相続について知識を備えた司法書士に相談されることをお勧めします。
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(詳しくは韓国人の相続の費用のページをご覧ください)
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